イーサL2「ZKsync」、ガバナンストークン「ZK」に経済的ユーティリティ追加の提案

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NewEconomy JP 16 hours ago 168

ZKsyncがZK ($0.07)トークンの大規模改革案を公開

イーサリアム(Ethereum)のレイヤー2スケーリングソリューション「ジーケーシンク(ZKsync)」の共同創設者アレックス・グルチョウスキー(Alex Gluchowski)氏が、同プロジェクトのガバナンストークン「ZK」に経済的ユーティリティを追加する大規模改革案をXにて11月4日に発表した。

同氏はフォーラムへの投稿で、「ZK」トークンは当初純粋なガバナンストークンとして設計されたが、ネットワークが成熟した現在は、トークンがネットワーク価値を補足しエコシステムの採用拡大を後押しすることが重要になったと説明している。

今回の提案の目的は、(1)ネットワークの使用量とトークン価値を結びつけること、(2)分散化を経済的に持続可能なものにすること、(3)ネットワークが生み出す経済的利益をトークン保有者とエコシステムに還元することの3点だという。

新トークノミクス案では、ZKトークンに価値を還元する収益源として、主に2つのルートが想定されている。

1つ目はオンチェーンの「相互運用性手数料」で、ジーケーシンクの各チェーン間やプライベートチェーンとの間で資産・メッセージを移転する際に発生するプロトコル手数料を指す。2つ目はオフチェーンの「企業向けライセンス収益」で、規制金融機関や大企業向けに提供する高度なエンタープライズ機能の利用料を想定している。

これらの収益はすべてガバナンス管理の仕組みに集約され、市場からのZKトークン買い戻しに充当される。買い戻したトークンは、(1)バーン(焼却)、(2)ステーキング報酬、(3)開発者支援や公共財ファンドなどエコシステム向け資金の3用途に配分される。配分比率やパラメータはガバナンス投票で決定し、採用状況に応じて調整される。

グルチョウスキー氏は、提案の基本原則として「分散化が存続するためには経済的な持続可能性が不可欠であり、そのためには中央のスポンサーではなく、多数の独立参加者による継続的な開発、セキュリティ、運用を支える収益モデルが必要だ」と強調している。

1つ目の収益源である相互運用性手数料について同氏は、従来のクロスチェーンブリッジは信頼・セキュリティ・資本効率の面でコストが高い一方、ジーケーシンクのネイティブ相互運用プロトコルは、安全かつほぼ即時の資産・メッセージ移転を可能にするため、適切なプロトコル手数料を課しても利用者にとって大きな摩擦にはならないと説明している。また、SWIFTが1日5,000万件超のメッセージを処理している例を挙げ、プライベートチェーンが銀行インフラとして普及すれば、相互運用可能な決済・メッセージングが継続的な基盤需要になると同氏は指摘している。

2つ目の収益源である企業向けライセンスについて同氏は、ブロックチェーン開発用モジュラー型フレームワーク「ZKスタック(ZK Stack)」自体は引き続きオープンソースとして無償で提供するとした。その一方で、財務・ERPとの統合機能、コンプライアンス・報告モジュール、監査用インターフェース、運用管理ツールなど、大手金融機関や企業向けにエコシステム側が開発・維持する高度なコンポーネントについては、その利用から一部の価値をエコシステムに還元するライセンスモデルを導入することが合理的だと述べている。大手金融機関は重要インフラやコンプライアンス対応に年間数十万〜数百万ドル規模の予算を投じており、世界中の銀行の一部に採用されるだけでも、ZKエコシステムにとって意味のある継続的収益源になり得るとのことだ。

なおグルチョウスキー氏は、ジーケーシンク開発元マターラボ(Matter Labs)の共同創設者兼最高経営責任者(CEO)であり、ジーケーシンクは2024年時点から「ZKnomics」構想としてトークノミクス改革の方向性を示してきた。今回の提案は、その第1弾として具体的な価値還元モデルを示したものだと位置づけられている。

今回の提案はあくまで高レベルな設計案であり、今後XおよびZKネーション(ZK Nation)フォーラムでコミュニティから意見を募った上で、相互運用性手数料の詳細設計、企業収益のルーティング、ガバナンスおよび開示の枠組みに関する具体案が順次提示される予定とのことだ。 

https://t.co/RRS64KHyam

— ALEX | ZKsync ∎ (@gluk64) November 4, 2025

画像:iStocks/sandipruell

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