
米国を世界の暗号資産の首都へ
米暗号資産(仮想通貨)取引所ジェミナイ(Gemini)の創業者であるタイラー・ウィンクルボス(Tyler Winklevoss)氏とキャメロン・ウィンクルボス(Cameron Winklevoss)氏が、政治行動委員会(PAC)の「デジタル・フリーダム・ファンド(Digital Freedom Fund)」に2100万ドル(約31億円)相当のビットコイン(188.4547BTC)を寄付したと8月21日に発表した。
デジタル・フリーダム・ファンドは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が掲げる「アメリカを世界の暗号資産の首都にする」というビジョンの実現を目的に設立されたPACだ。ウィンクルボス兄弟は今回の寄付を通じて、暗号資産政策の推進とトランプ政権の支持を改めて鮮明にした。
タイラー氏はXにて、「トランプ大統領と政権は、選挙公約を上回る成果を上げている」と述べ、2026年11月に予定されている中間選挙での与党支持者の勝利に向けた支援を表明した。また、同ファンドが掲げる政策についても言及し、「暗号資産業界が自由に成長できる環境を保障し、過剰規制や過度に複雑化したライセンス制度を回避するため、私たちは『スリムな市場構造法案』を求めて闘う」と強調。規制によるイノベーションの阻害を防ぎながら、透明性と公平性の高い市場構築を進め、ビルダーがプロダクト開発に専念できる自由な環境づくりが急務だと訴えた。
デジタル・フリーダム・ファンドは、ビットコインと暗号資産の所有、自己管理、ピアツーピア(P2P)取引の権利を法的に定める「ビットコイン&暗号資産基本権法案」の推進をはじめ、ソフトウェア開発者とパブリッシャーを保護するための立法、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の禁止、政治的・宗教的信条や事業内容にかかわらず誰もが公平に銀行サービスを利用できる権利の保障、承認済みアプリを通じた金融データ活用を促進するオープンバンキングの保護、技術中立的な形で暗号資産を既存ライセンス制度に包括する強制的な規則制定と免除の恒久化など、幅広い課題に取り組む姿勢を示している。
またタイラー氏は、7月末に発表された大統領作業部会(PWG)の報告書「デジタル金融技術におけるアメリカのリーダーシップ強化」にも言及。SECのポール・アトキンス委員長やCFTCのキャロライン・ファム代理委員長による取り組みを「暗号資産業界が長年待ち望んだ動き」と評価し、米国が世界の暗号資産市場をリードする未来像に強い期待を示している。
さらにタイラー氏は、規制による市場捕獲(Regulatory Capture)を拒否する姿勢を表明している。
「暗号資産市場は誰にでも開かれているべきであり、大企業だけが優遇される環境を作ってはならない」とした上で、誰もが参入しやすいコスト構造を維持し、自由競争が機能する市場の実現を訴えた。
トランプ政権下での規制の明確化、機関投資家の採用拡大、ETF(上場投資信託)への資金流入の増加は、投資家の信頼を高め、暗号資産を主流金融に組み込むことに寄与している。
年初にはコインベース(Coinbase)がブロックチェーン関連企業として初めてS&P500に採用された。ビットコイン購入機能を提供するブロック(Block)は7月に同指数へ採用されている。
なおジェミナイは現在、ティッカー「GEMI」にてナスダック(Nasdaq)上場を計画している。
Today, @cameron and I donated $21 million in bitcoin (188.4547 BTC ($110,906.00)) to the Digital Freedom Fund PAC. The mission of the @FreedomFundPAC is to help realize President Trump’s vision of making America the crypto capital of the world. Since inauguration, @POTUS and his Administration…
— Tyler Winklevoss (@tyler) August 20, 2025画像:PIXTA
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