
トークン化証券市場の拡大を見据えOasis Proを傘下に
RWA(実世界資産)のトークン化プラットフォームを手掛けるオンドファイナンス(Ondo Finance)が、オアシスプロ(Oasis Pro)の買収完了を10月7日に発表した。
オアシスプロは、RWAおよびデジタル証券を扱うグローバルなフィンテック・インフラプロバイダーで、公募・私募のトークン化証券を対象としたマルチアセット取引プラットフォームのソリューションを提供している。
またオアシスプロは子会社を通じて、米証券取引委員会(SEC)登録・金融業規制機構(FINRA)加盟のブローカーディーラー兼代替取引システム(ATS)、ならびにSEC登録の移転代理人(TA)を運営している。同社は、法定通貨とUSDC ($1.00)やDAI ($1.00)などのステーブルコインの双方でデジタル証券の決済をサポートする認可を受けた、米国規制下で「初期の」ATSの一つとされる。また同社は、2020年よりFINRA会員かつSEC登録ブローカーディーラーとして、コンプライアンスに準拠した運営を行っている。
今回の買収には、SEC登録済みのデジタル資産ブローカー・ディーラー、ATS、移転代理人(TA)の各ライセンスが含まれる。
これにより、オンドファイナンス・グループは米国でデジタル資産サービスを提供するための包括的なSEC登録セットをグループ内に保有することになり、米国投資家向けに規制対象のトークン化証券市場を開発・提供できる体制が整った。
この買収によりオンドファイナンスは、RWAのトークン化エンジン、デジタル資産の移転代理・資本管理ソリューション、プライマリーオファリング(一次募集)市場、公開・非公開のトークン化証券を法定通貨またはデジタル通貨で扱うマルチアセットの二次取引システム、さらにNMS銘柄、OTC株式(トークン化含む)、社債、クローズドエンド型投信、REIT、ストラクチャード商品、MBS、ABS、私募証券など幅広い資産について一定の二次市場活動を実施可能とする規制当局の承認、および私募、引受、M&Aアドバイザリーを含む資本市場活動を支援するライセンスを得た。
オンドファイナンス・グループは、オアシスプロのライセンスを社内に取り込むことで、2033年までに18兆ドル超に達すると予測されるトークン化証券市場の急拡大に合わせ、アクセスと提供範囲を一段と拡大できるとしている。
なお、米国におけるブローカー・ディーラー業務は子会社オアシスプロマーケッツ(Oasis Pro Markets )が担っており、オンドファイナンス本体や他のグループ会社は現在、SEC登録ブローカー・ディーラーでもFINRA及び証券投資家保護公社(SIPC)の会員ではない。また、オンドファイナンスが提供するUSDY ($1.09)やOUSG ($113.08)など一部のデジタル資産は米国証券法(1933年証券法)上の登録を受けておらず、米国人向けの販売・譲渡には制限がある。さらに、オアシスプロ以外の事業体を通じて保有・取引されるデジタル資産はSIPCによる保護の対象外となる。
参考:発表
画像:PIXTA
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