ソフトウェア事業は堅調

上場企業によるビットコイン保有数で世界第1位のストラテジー（Strategy）が、2025年第3四半期の業績を10月30日（米東部時間）に発表した。

発表によれば営業利益は39億ドル（約6,001億円）、純利益は28億ドル（約4,001億円）、希薄化後EPSは8.42ドル（約1,296円）だ。ビットコインの公正価値会計の適用により、期中に約39億ドルの未実現評価益を計上した。

ちなみに今回、純利益は前期の100億ドル（約1.5兆円）から大幅に減少した形になった。これは夏以降のビットコイン相場の勢いが鈍化し、同社株の評価倍率（mNAV）が低下したことが影響したとみられる。mNAVは企業価値をBTC ($109,691.00)保有価値で割る指標で、BTCの上昇局面では新規発行によるBTC買い増し効果を高めるが、倍率が縮小するとその効果が薄まる仕組みだ。

期末時点のBTC保有量は、10月26日時点で640,808BTC。取得原価は474.4億ドル（約7.3兆円）、平均取得単価は74,032ドル（約1,139万円）だという。

また、2025年の年初来（10月26日まで）でBTCイールドが26.0%、BTCのゲインが129億ドル（約1.9兆円）に達したと発表。

2025年度の業績予想としてストラテジーは、年末のビットコイン価格を15万ドル（約2,309万）と仮定したうえで、営業利益を340億ドル（約5.2兆円）、純利益を240億ドル（約3.6兆円）、希薄化後1株あたりの利益を80ドル（約1万2,312円）とした。

資本市場での動きでは、年初来の資金調達額が200億ドルに達し、変動利付優先株「STRC」の配当率については、11月に25ベーシスポイント引き上げの10.50%とすることを発表している。

一方、ソフトウェア事業は堅調だ。7〜9月期の売上高は1億2,870万ドル（約198億円）で前年同期比で10.9%増を記録、売上総利益は9,068万ドル（約139.5億円）で粗利率は70.5%となった。内訳ではサブスクリプション売上が4,597万ドル（約70.7億円）で前年同期比65.4%増と伸長し、プロダクトライセンスやサブスクの収益も拡大した。ちなみに、製品サポートやその他サービスは減収だったが、収益構成のクラウド・サブスクシフトが収益を押し上げ、前年比で62.9%増加し、全体の利益率を押し上げた。

ストラテジーのCEOであるフォン・レ（Phong Le）氏は、「第3四半期から10月にかけて、ストラテジーは世界有数のビットコイン・トレジャリー企業としての地位をさらに強化した」と強調。「国際的な管轄区域における信用証券の基盤整備を積極的に進めており、ストラテジーが世界的に主導的な信用発行体となるための位置付けを確立している。この勢いを背景に、年間目標である200億ドル（約3.7兆円）相当のBTC獲得額と30％のBTC利回りを改めて確約する」と述べている。

また、マイケル・セイラー（Michael Saylor）執行会長は、「当社は約710億ドル規模の均質な担保を構築し、デジタルクレジットの主要発行体となる基盤を整えた。S&Pが当社に『B-』の格付けを付与したことは、投資家基盤の拡大につながると見ている」とコメントしている。

Strategy announces Q3 2025 results & reaffirms 2025 guidance.
Q3 results: $3.9B Operating Income, $2.8B Net Income, $8.42 Diluted EPS
FY2025 guidance: $34B Operating Income, $20B BTC $ Gain https://t.co/lNR3FetIao

参考：発表
画像：iStock/ne2pi

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