
株式と暗号資産のインデックスをトークン化
米サンフランシスコ拠点のトークン化株式サービス企業ディナリ(Dinari)が、チェーンリンク(Chainlink)との協業により、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(S&P Dow Jones Indices)と共同で開発中の「S&Pデジタル・マーケッツ50指数(S&P Digital Markets 50 Index)」をオンチェーンで検証可能な形で運用すると11月5日に発表した。
同指数はS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが設計したベンチマークで、ブロックチェーン関連の採用を進める米国上場企業35社と主要暗号資産15銘柄の計50銘柄で構成される。同社は先立って10月7日にディナリと同指数を共同開発すると発表していた。正式ローンチは2025年第4四半期を予定している。
ディナリは、同指数を自社のトークン化株式基盤「ディーシェアズ(dShares)」を通じてトークン化する計画だ。各トークンは指数を構成する株式・資産を1:1で裏付けとする設計で、原資産は規制下のカストディアンによって保管されるという。投資家は株式と暗号資産に一体的に分散されたポートフォリオへ、単一トークンを通じてアクセスできるようになるとしている。
チェーンリンクは、同指数の価格や構成比率などのデータを、複数のデータ元と暗号学的検証を用いてオンチェーンに提供する役割を担う。これにより指数がブロックチェーン上でリアルタイムかつ検証可能な形で反映され、透明性を確保した状態で運用されることが可能になるとしている。
この取り組みは従来の株式指数をブロックチェーン上で直接利用可能とする試みの一例であり、ディナリはこれを「オンチェーン運用可能なベンチマーク(オンチェーン・インデックス)」として位置づけている。今後は、プログラム可能な投資商品や自動清算型の金融商品など、新たなオンチェーン金融商品の基盤に活用される可能性があるという。
なおこのような株式や指数をブロックチェーン上で直接利用可能にする「トークン化」の動きはここ1年で急速に拡大している。暗号資産取引所ジェミナイ(Gemini)は欧州地域向けにトークン化株式の取り扱い銘柄を拡大している。また米ナスダック上場企業FGネクサス(FG Nexus)も自社株式のイーサリアム上でのトークン化に向けたプログラムを開始している。
一方でトークン化株式は原資産が証券に該当する点は変わらないため規制面の懸念も浮上している。米証券取引委員会(SEC)のヘスター・ピアース(Hester Peirce)委員は「トークン化しても証券は証券であり、従来の規制を満たす必要がある」と述べている。また国際取引所連合(WFE)は、投資家保護や市場の健全性の観点から、トークン化株式に対する監督強化を求める声明を発表している。
Tomorrow’s financial system needs trusted, real-time market data.
Dinari and @SPDJIndices are partnering with @chainlink to provide transparent, verifiable data for the S&P Digital Markets 50 Index — the first benchmark to combine top U.S. equities and digital assets. pic.twitter.com/fnDrSg8FQj
参考:プレスリリース
画像:PIXTA
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