
承認されれば米国主要取引所初の「トークン化証券取引」解禁へ
米株式取引所ナスダック(Nasdaq)が、米証券取引委員会(SEC)に対し、上場株式や上場投資商品(ETP)を「従来のデジタル証券」または「トークン化証券」の形で取引できるようにする規則変更を申請した。ロイターが9月8日報じた。
これが承認されれば、米国の主要取引所で初めてトークン化証券の取引が認められることになる。
ナスダックはSECへの申請書にて、マーケットが「国内市場システムの利点と保護を継続的に供給しつつ」トークン化を活用できると強調しつつ、トークン化された株式が、計画に基づく統一取引と執行優先権の対象となるためには、原証券と同等の権利と特権を有する必要があるとした。同社は、全国市場システム(NMS)の保護とベネフィットを維持したままトークン化を取り込めるとし、「NMSからの包括的な適用除外は不要であり投資家の利益にもならない」と強調した。
ナスダックのタル・コーエン(Tal Cohen)社長は、トークン化と伝統的市場の統合は、決済の迅速化・プロセス自動化・効率向上の大きな機会だと述べている。
トークンか推進の動きがある一方で、世界経済フォーラム(WEF)は「二次市場での流動性不足や国際標準の欠如が課題」と指摘しており、世界取引所連盟(WFE)も証券規制当局に対し、加速するトークン化の波に慎重な対応を求めている。
なお規制面では、SECが7月末に暗号資産の取扱い拡充を含む検討課題を示し、トークン化証券の取引を国内取引所/ATS上で可能にする方向性を示している。
SECのヘスター・パース(Hester Peirce)委員は7月9日の声明にて、「トークン化証券は依然として証券」であり、既存の証券法が適用されると改めて強調している。
ナスダックは、インフラが整えば、2026年第3四半期までに米国投資家がナスダックで株式を購入し、注文のルーティング・価格設定・監視・報告方法を変えずにトークン形式で決済できる可能性があるとしている。なおこのモデルを支援するインフラは、米国の中央清算機関であるDTC(Depository Trust Company)が担う予定だ。
トークン化株式へ向けた動きが加速
トークン化株式は、企業の株式を表すためにつくられたブロックチェーンベースのトークン。このトークンは証券の所有権を表すが、投資家は原資産企業の株主にはならない仕組みだ。
暗号資産取引所のコインベース(Coinbase)や仲介業者のロビンフッド(Robinhood)らが、トークンか株式の提供へ向け動いており、また、バンク・オブ・アメリカやシティグループなど大手銀行もトークン化資産やステーブルコインの発行を検討している。
また、RWA(現実資産)のトークン化プラットフォーム提供オンドファイナンス(Ondo Finance)は9月3日、100以上のトークン化米国株式・ETFを売買できるプラットフォーム「オンドグローバルマーケット(Ondo Global Markets)」をイーサリアム上でローンチしている。
欧州では、ドイツの大手証券取引所ベールゼ・シュトゥットガルト・グループ(Boerse Stuttgart Group)が、欧州全域対応のトークン化資産向け決済プラットフォーム「セチュリオン(Seturion)」を9月4日に発表した。
参考:ロイター
画像:Reuters
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