
トランプがGENIUS法に署名
ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が、ステーブルコイン規制法案「ジーニアス(GENIUS)法」に署名し、同法が7月18日に成立した。財務省と連邦準備制度(FRB)による最終規則が整い次第、早ければ11月、遅くとも2027年初頭までに施行される予定だ。これによりステーブルコインが日常の決済や送金手段として定着するための節目となる可能性がある。
トランプ氏は式典で「この法律はあなたたちの努力とパイオニア精神を大いに認めるものだ」とし、「ドルにとっても国にとっても有益だ」と話した。
暗号資産業界は2009年に革新性と投機的な混乱で知られる「デジタルの無法地帯」として出発した。正当性を得るために以前から必要だった規制枠組みが実現したという点で、業界にとって画期的な成果とみられている。
スコット・ベッセント(Scott Bessent)財務長官は声明で、この技術がドルの国際的な地位を高め、ドル経済の利用拡大につながり、米国債の需要も押し上げると述べた。
ステーブルコインは米ドルをはじめとする流動性資産と連動する形で設計されたデジタル資産。金やその他通貨と連動するものも存在する。暗号資産間の送金手段として急速に広まっている。業界は今後これが日常的な即時決済に使われることを期待している。
新法ではステーブルコインが米ドルや短期国債などの流動性資産により裏付けられていること、発行者が保有準備の内訳を毎月公開することが義務付けられた。
暗号資産関連のデータを提供するコインゲッコー(CoinGecko)によると、ステーブルコイン市場の規模は2,600億ドル(約38兆円)以上。スタンダードチャータード銀行は2028年までに2兆ドル(約294兆円)に拡大する可能性があると予測している。
米民主党や批判派は、新法が大手テクノロジー企業によるステーブルコイン発行を禁止していないこと、マネーロンダリング対策が不十分であること、外国企業による発行を制限していないことを問題視している。
なおトランプ氏は1月に自身の公式ミームコイン「OFFICIAL TRUMP ($7.11):オフィシャルトランプ(TRUMP)」を立ち上げたほか、暗号資産企業「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial)」にも一部出資している。
 ※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。 
米でステーブルコイン規制法が成立、トランプ氏が署名
参考:Morgan Lewis
画像:Reuters 
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