香港金融管理局が金融資産やRWAのトークン化テストへ、「Project Ensemble Sandbox」立ち上げで

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NewEconomy JP 1 year ago 326

「プロジェクトアンサンブルサンドボックス」立ち上げを発表

香港金融管理局(HKMA)が、ホールセール型中央銀行デジタル通貨(wCBDC)を活用する「プロジェクトアンサンブルサンドボックス(Project Ensemble Sandbox)」の立ち上げを8月28日発表した。

HKMAは、「プロジェクトアンサンブルサンドボックス」立ち上げ式典にて、トークン化された資産を含む取引に焦点を当て、実験的なトークン化貨幣を使った銀行間決済を促進するために設計されたサンドボックスを構築し、セットアップを完了させたと報告した。

最初の実験ラウンドでは、伝統的金融資産と現実世界の資産(RWA)のトークン化を対象とし、債券・投資ファンド、流動性管理、グリーン・持続可能金融、貿易・サプライチェーン金融の4つの主要テーマに焦点を当てるとのこと。またHKMAは今後も業界と積極的に関わり、トークン化への関心の測定、新たなテーマの開発、トークン化のさらなるユースケースを特定していくと報告している。

またサンドボックスは、実験的なトークン化された貨幣を使って銀行間決済を促進するように設計されているという。主な参加者として、中国銀行、HSBC、ハンセン銀行、スタンダード・チャータード銀行、アント・デジタル(Ant Digital)、ハッシュキー(HashKey)、マイクロソフトらが挙げられた。さらに、ブラックロック(BlackRock)、CSOPアセット・マネジメント、フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)、香港のチャイナ・アセット・マネジメント(China Asset Management)といった資産運用会社も同サンドボックスに参加予定だ。

HKMAの最高責任者(CEO)であるエディ・ユエ(Eddie Yue)氏は「プロジェクトアンサンブルサンドボックスの導入は、HKMAと業界にとって、現実のビジネス・シナリオにおけるトークン化の応用を模索するための重要な一歩となる」と語っている。

HKMA は3月、「プロジェクトアンサンブル」を開始。今回のサンドボックス立ち上げはこれに続く動きとなる。同プロジェクトではwCBDCを通じて、トークン化されたマネーの円滑な銀行間決済を促進する金融市場インフラを模索するとHKMA は発表していた。

なお3月の発表時点では、テストされるRWAの例として、グリーンボンド、炭素クレジット、航空機、電気自動車充電ステーション、電子船荷証券などが挙げられていた。

なお香港ではすでに債券トークン化が実施されている。

HKMAは昨年2月、香港が8億香港ドル(当時の価格で約137.3億円)のトークン型グリーンボンド発行に成功したことを発表している。なお政府が発行したトークン化グリーンボンドとしては世界初になるとのことだった。

参考:HKMA発表・資料
画像:iStock/Alex-Sholom

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