Secured Finance、「JPYC」対応のレンディングや担保付き借入、自動決済など新機能を発表

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NewEconomy JP 18 hours ago 167

JPYCエコシステムが本格拡張へ

分散型金融(DeFi)の固定金利レンディングプロトコルを開発する「セキュアードファイナンス(Secured Finance)」が、日本初のステーブルコイン「JPYC」を活用した複数の新プロダクトを10月28日に発表した。

これらのプロダクトは、日本円市場の金利構造をオンチェーン上に再現し、世界中の投資家が日本円金利にアクセスできる分散型インフラの構築を目指すものだ。

新たな取り組みでセキュアードファイナンスは、JPYC建ての固定金利レンディング市場を新たに提供する。貸し手には安定した利回りを、借り手には予測可能な金利による資金調達手段を提供することで、日本円のオンチェーン金利カーブ構築を目指すとしている。

初回の板寄せは2025年11月3日に開始し、翌週のオープン価格決定後に取引を開始する予定だ。初期の満期は2025年12月26日と2026年3月27日で、今後は需要や満期到来に応じて四半期ごとに新市場を追加していくという。

また、WBTC ($110,334.00)およびETH ($3,912.57)を用いたJPYCの借り入れが可能になり、将来的には担保対象をRWAトークンや利回り資産トークンにも拡大する方針だ。

セキュアードファイナンスはさらに、分散型金融(DeFi)プロトコル「ヤーン・ファイナンス(Yearn Finance)」との連携を通じて、JPYC建てのYearn Vault(v3対応)を開発中だという。まずは固定金利オーダーブックへの自動マーケットメイキングやデルタニュートラル戦略など、分散型アルゴリズムによる運用を想定している。ノンカストディアルかつオンチェーンで透明に実行し、ユーザーは資産を預けたまま自動的に最適化された利回りを得られる仕組みを提供する。

加えて、JPYCレンディング市場の拡大に合わせ、セキュアードファイナンスは日本円金利のオンチェーンベンチマーク指標の開発と公表を計画している。市場実勢に基づく金利データを可視化し、日本円ステーブルコインを活用したオンチェーン金融の信頼性と透明性向上に寄与する方針だ。初期は流動性が限定的となるものの、公開市場で形成される金利情報には公共的価値があるとしている。

このほか、コインベース(Coinbase)が提唱するx402プロトコル(EIP-3009対応)と連携し、JPYCの自動決済機能を実装する。HTTPレスポンスコード「402 Payment Required」を活用し、既存の複雑な決済基盤や高額な手数料を介さずに、ウェブサービス上で直接JPYCを用いた支払いを可能にする仕組みだ。これにより、オンラインサービスやAIエージェントによる即時かつ安全な取引を実現するという。

JPYCは、10月27日13:00より、発行および償還の受付を行う専用プラットフォーム「JPYC EX(ジェーピーワイシーエクス)」が公開され、正式リリースされたばかりだ。

セキュアードファイナンスのファウンダーでCEOのキクチ・マサカズ(Masa “Senshi” Kikuchi)氏は、日本円は国内通貨にとどまらず世界の金利ベンチマークだとし、「JPYCのエコシステムを活用することで、日本円金利カーブをオンチェーン化し、実世界の金融市場とDeFiをつなぐ新しいインフラを構築していく」とコメントしている。

セキュアードファイナンスは暗号資産(仮想通貨)やデジタル資産領域で投資銀行レベルの金融商品・サービス提供を目指し、日本人のキクチ・マサカズ氏が創業した企業だ。キクチ氏は外資系金融企業を中心に17年間、金融領域に携わり、ハーバード大学ソフトウェア工学修士課程を修了した経歴を持つ。

また、セキュアードファイナンスのプロトコルは、暗号資産およびデジタル資産の取引市場において、既存金融の金融商品と同等レベルのサービスを分散型金融(DeFi)で提供することを目指す。既存の債券市場で一般的なOTC市場が抱える「透明性の欠如」や「債務不履行リスク」といった課題を解決するとともに、DeFi市場での流動性維持、標準化された製品と市場慣例の確立、複雑な規制対応などを独自システムで実現する狙いがある。

参考:発表
画像:PIXTA

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