
機関導入の道筋の提示や事例紹介も
イーサリアム財団(Ethereum Foundation)が、開発者やリーダー、機関向けの新サイトを10月30日に公開した。
同サイトは、イーサリアムを活用した金融インフラの構築を進める企業や組織に向けた包括的な情報ハブとして機能し、エンタープライズ向けの導入支援や事例紹介などを行うという。
EFは声明で、「イーサリアムはオンチェーン経済の強固な基盤を提供し、110万人以上のバリデーターによって保護され、10年以上の稼働実績によって証明されている」と強調。ブラックロック(BlackRock)やイートロ(eToro)、コインベース(Coinbase)、ビザ(Visa)などを例に挙げ、これら企業などがイーサリアム上で運用・決済を展開しており、数十億ドル規模の資産残高と取引量を支えているとした。
また、スケーラビリティの面では、レイヤー2(L2)ソリューションが総額500億ドル(約7.6兆円)以上の価値を担保しており、低コスト・高スループットな環境を提供しているという。L2領域ではアービトラム(Arbitrum)、オプティミズム(Optimism)、ポリゴン(Polygon)、ジーケーシンク(zkSync)などが代表的プロジェクトとして挙げられている。
また、機関利用の障壁として指摘されてきた取引・ロジックのプライバシーについても、EFは公共のレール上でのプライバシー保護を強化していると説明。
ゼロ知識証明(ZK)、完全準同型暗号(FHE)、Trusted Execution Environments(TEEs)などの技術を活用し、コンプライアンスを維持しつつ透明性を損なわない仕組みを構築しているという。
この分野では、チェーンリンク(Chainlink)、レールガン(Railgun)、アズテック(Aztec)、ザマ(Zama)といったチームが開発を進めており、すでに実運用段階のプロジェクトも登場している。
またEFは、イーサリアムがトークン化された実世界資産(RWA)とステーブルコインの両分野で圧倒的なシェアを持つと強調。RWAの75%以上、ステーブルコイン供給量の60%以上がイーサリアム上で発行・流通しているという。
特にブラックロック、セキュリタイズ(Securitize)、オンドファイナンス(Ondo Finance)、メイプルファイナンス(Maple Finance)などがトークン化国債や信用市場の構築を進めており、「新しい資本市場の基盤」を形成しつつあると述べた。
また、DeFi(分散型金融)の領域でもイーサリアムは依然として中心的存在であり、世界全体のTVL(預かり資産)の67%以上を占めるとした。
EFは、「このオープンでコンポーザブル(組み合わせ可能)なインフラこそが、透明で効率的な金融サービスを支える基盤となる」と述べた。
新サイトでは、L2エコシステムやトークン化資産、プライバシー技術など、イーサリアム上で進む機関利用の全体像を紹介しており、今後も継続的にアップデートされる予定だ。
EFは、「本サイトは情報提供を目的としたもので、特定プロジェクトの推奨ではない」としている。
1/ Now live: the Ethereum for Institutions site
Ethereum is the neutral, secure base layer where the world’s financial value is coming onchain
Today, we’re launching a new site for the builders, leaders, and institutions advancing this global movement pic.twitter.com/KGNKVaPda0
参考:新サイト
画像:PIXTA
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