
テック株中心に1,424億ドル規模を運用
カナダの年金運用機関であるカナダ年金制度投資委員会(Canada Pension Plan Investment Board:CPPIB)が、米証券取引委員会(SEC)への最新の13F報告書において、1,346銘柄で総額約1,424億ドル(約22.5兆円)相当の上場株式保有を明らかにした。
報告書によるとCPPIBは、米国ハイテク株を中心に保有しており、新興銘柄や暗号資産関連銘柄も保有している。
トップ保有銘柄としては、NVIDIA(NVDA)、マイクロソフト(MSFT)、アップル(AAPL)、アマゾン(AMZN)、ブロードコム(AVGO)といった米国を代表するテック企業の株が名を連ねている。
暗号資産銘柄としては、上場企業によるビットコイン(BTC ($93,044.00))の保有数で世界第1位のストラテジー(旧MicroStrategy:MSTR)の新規ポジションを2025年第3四半期に開設しており、393,322株を保有している。当該四半期末時点での保有株価値は約1億2700万ドル(約196.8億円)、2025年11月17日終値(195.42ドル)換算では株価は約7,700万ドル相当(約12億円)相当と評価されている。
ただし、今回開示された13F報告書は「米国上場株式」に関する開示であり、プライベート・エクイティ、不動産、インフラなど他の主要な資産クラスは含まれていない。CPPIBのサイトでも「当社は公開株式・非公開株式・不動産・インフラ等をグローバルに運用している」と明記されており、実際の運用資産(AUM)はこれを上回る可能性がある。
ストラテジーは意欲的にビットコインの購入を進めていることでも知られる企業だ。ビットコインを保有する上場企業では世界第一位となる。
直近でも11月17日にビットコインの追加購入を発表しており、11月10日から11月16日までに、8,178BTCを約8億3,560万ドル(約1,294億円)で購入。手数料と経費を含む1BTCあたりの取得額は約10万2,171ドル(約1,582万円)となっている。
これにより同社のビットコイン総保有数は11月16日時点で、合計約64万9,870BTCになっている。
また、近年各国では暗号資産を年金制度のポートフォリオに組み込む動きが散見される。
米国ではドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が、企業型確定拠出年金「401k」でプライベートエクイティ(PE)、不動産、暗号資産といったオルタナティブ資産への投資を可能にすることを目指す大統領令に8月7日に署名。
また、韓国の国民年金公団(NPS)は、暗号資産関連株であるコインベース(Coinbase)やストラテジーも投資ポートフォリオに組み込んでいる。
参考:CPPIB
画像:Reuters
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