米規制下でのステーブルコイン準備金運用に対応
米資産運用大手ブラックロック(BlackRock)が、ステーブルコイン発行企業の準備金ニーズに応えるべく、ジーニアス法(GENIUS Act)に準拠した改良版マネーマーケット型ファンドを導入するようだ。「CNBC」が10月16日に報じた。
報道によれば、「ブラックロック・セレクト・トレジャリー・ベースド・リクイディティ・ファンド(BlackRock Select Treasury Based Liquidity Fund:BSTBL)」は、東部標準時間17:00を取引の締め切りとし、米国財務省証券(トレジャリー)を中心とする運用方針に再設計された。
このファンドは、市場流動性が高く信用リスクが相対的に低い米国債を主体に運用し、ジーニアス法で定義される、許可された支払いステーブルコイン発行者(Permitted Payment Stablecoin Issuers:PPSIs)に対応した設計となっている。
これにより、ステーブルコインの準備金を運用する企業にとって、法令適合性と資金効率性を両立できる仕組みを提供し、ブラックロックとしても連邦規制下での準備金管理インフラの構築を狙うと見られる。
ブラックロックはすでに、現物ビットコインETF、イーサリアムETP、BUIDL ($1.00)トークン化流動性ファンドなど、広範なデジタル資産関連商品を展開している。過去の報道によれば、同社はオンチェーン金融への本格参入の一環として、実物資産(RWA)に連動したトークン化ファンドの検討も進めている。
7月にドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が署名・成立させたジーニアス法(GENIUS Act)は、米国内におけるステーブルコイン規制の確立を目的とするもの。
同法は、ステーブルコインを現金または米国債で100%裏付けることを義務付け、銀行および非銀行発行体の監督基準や登録要件を明確化する内容を盛り込んでいる。
また、米財務省は10月17日までパブリックコメント(意見募集)を実施しており、最終的な規制決定に向けた手続きを進めている。
参考:CNBC
画像:Reuters
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