キャンターが30億ドル規模のビットコイン投資会社を設立か
米金融大手キャンター・フィッツジェラルド(Cantor Fitzgerald)が、ソフトバンク(SoftBank)、テザー(Tether)、ビットフィネックス(Bitfinex)と提携し、ビットコインの投資会社を新たに設立する計画を進めていると「英フィナンシャルタイムズ(Financial Times)FT」が関係者からの情報として4月23日に報じた。
報道によるとキャンターは、特別目的買収会社(SPAC)「キャンター・エクイティ・パートナーズ(Cantor Equity Partners)」が1月に調達した2億ドル(約305億円)もとに、新会社「21キャピタル(21 Capital)」を設立する予定だという。
新会社「21キャピタル」では、ソフトバンクら3社などから30億ドル(約4,590億円)相当のビットコインを集め、それらの資金をもとにストラテジー(Strategy)の成功モデルの再現をするという。同社は株式や社債の発行により大量のビットコインを購入することで市場の注目を集め、時価総額は910億ドル(約13兆9,230億円)となっている。なおストラテジーは4月20日時点で、合計約53万8,200BTCを保有している。
ちなみに「21キャピタル」にはソフトバンクが9億ドル(約1,370億円)、テザーが15億ドル(約2,285億円)、ビットフィネックスが6億ドル(約915億円)のビットコインを提供するとのこと。
さらに「21キャピタル」では、3億5,000万ドル(約533億円)の転換社債および2億ドル(約305億円)の株式による私募増資を通じて、追加のビットコイン購入資金を調達する予定とも報じられている。最終的に、ソフトバンク、テザー、ビットフィネックスが提供するビットコインは1株10ドルの評価で「21キャピタル」の株式と交換され、ビットコインの評価額は1枚あたり8万5,000ドル(約1,295万円)となる見込みとのこと。
取引は数週間以内に発表されるというが、実現しない可能性もあると関係者は話したとのことだ。
なおキャンターは現在、2月にトランプ政権下で米国商務長官に就任するために同社の会長兼CEOを辞任したハワード・ラトニック(Howard Lutnick)氏の息子であるブランドン・ラトニック(Brandon Lutnick)氏が、会長兼CEOを務めている。
またキャンターは2021年よりテザー保有する米国債のカストディアンとなっている。テザーが発行するステーブルコインの大部分は、キャンター保有の伝統的な通貨準備金によって裏付けられていると報告されている。
参考:FT
画像:iStocks/SB・Rawpixel
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