投票は可決へ
米下院で、暗号資産関連の3つの重要法案(GENIUS法案、CLARITY法案、および反CBDC法案)の審議へ向けた第2回目の投票が、217対212の僅差で7月16日(現地時間)に可決された。10時間近く延長されての可決となった。
これら法案の審議は、7月15日に一度否決(賛成196、反対223)されていたが、再調整を経た7月16日の再投票の第1回手続き投票にて、賛成215票、反対211票で可決された。
しかし、この可決から数時間後に状況は一変。反CBDCの扱いが不十分として、マージョリー・テイラー・グリーン(Marjorie Taylor Greene)下院議員やチップ・ロイ(Chip Roy)下院議員らが反対票を投じた。両名を含む保守派議員らは、CBDCに反対する文言をCLARITY法案に盛り込むよう主張したが、委員会側はパーケージ化しない立場を示したため、一時膠着状態に陥っていた。
最終的に、CBDC発行禁止条項を国家防衛権限法案(NDAA)に盛り込むことで合意に達した。
マイク・ジョンソン(Michael Johnson)下院議長によると、GENIUS法案の採決は7月17日、CLARITY法案の採決は来週に予定されている。
共和党下院議員のアンディ・ハリス(Andy Harris)議員は「下院自由議員連盟(Freedom Caucus)のメンバーは今夜、大統領の暗号資産アジェンダを推進することで合意に達し、この合意の一環として、NDAAには、この通過必須法案に強力な反CBDC保護が盛り込まれることになった。政府が管理するデジタル通貨は金融のプライバシーと経済の自由に対する直接的な脅威となるため、これは米国民にとって重要な勝利である。これらの保護を確保することで、私たちは政府の行き過ぎた介入を阻止し、個人の自由を守るための重要な一歩を踏み出すことになる」とポスト。
親クリプト派として知られる下院多数党院内総務トム・エマー(Tom Emmer)議員は、反CBDC法案をNDAAに組み込むことで、アメリカ国民の金融プライバシーを守るとし、「この法案は『アメリカ・ファースト』アジェンダの重要な柱であり、私たちは必ず実現させる」と述べている。
House Freedom Caucus Members reached an agreement tonight to advance the President’s cryptocurrency agenda and, as part of this agreement, the National Defense Authorization Act (NDAA) will include strong anti–Central Bank Digital Currency (CBDC) protections in this must-pass…
— Rep. Andy Harris, MD (@RepAndyHarrisMD) July 17, 2025Attaching our Anti-CBDC Surveillance State Act to the NDAA will ensure unelected bureaucrats are NEVER allowed to trade Americans’ financial privacy for a CCP-style surveillance tool. @POTUS has made it clear: our legislation is a key piece of our America First agenda, and we…
— Tom Emmer (@GOPMajorityWhip) July 17, 2025参考:AXIOS
画像:PIXTA
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