米国、暗号資産規制整備に前進
米下院が、暗号資産関連の3つの重要法案(GENIUS法案、CLARITY法案、および反CBDC法案)の採択手続き動議を7月17日に可決した。
今回、採択手続きが認められたのは、米国内におけるステーブルコイン規制を目的とした「GENIUS法案(S.1582)」、デジタル資産の法的位置付けを明確にする「CLARITY法案(H.R.3633)」、および中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行・利用を連邦準備制度(FRB)などの連邦金融機関に禁じる「反CBDC法案(CBDC Anti-Surveillance State Act、H.R.5403)」だ。
これら法案の採択手続きは、7月15日に一度否決(賛成196、反対223)されていたが、再調整を経た7月17日の再投票では、賛成216票、反対206票で可決された。
これらの法案が正式に法制化されれば、米国では、さらに暗号資産関連の整備が加速することとなる。
「GENIUS法案」は、ステーブルコインを現金または米国債で100%裏付けることを義務付け、銀行および非銀行発行体の監督基準を明確化する内容だ。
「CLARITY法案」は、「デジタル資産」が商品(commodities)か証券(securities)かを法的に定義し、CFTC(商品先物取引委員会)またはSEC(証券取引委員会)のどちらが規制権限を持つかを明確にする。これにより規制の不確実性が解消され、起業や投資に対する法的リスクが軽減される。また、機関投資や企業による導入も進む可能性がある。
「反CBDC法案」は、FRBなどによるCBDCの発行および利用を禁止することで、政府による監視リスクを回避し、プライバシー保護を強化することを目的としている。
参考:Congress.gov
画像:iStocks/AndreyPopov・sumkinna
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