
ファム暫定委員長が取引所と協議進める
米商品先物取引委員会(CFTC)が、個人向け現物暗号資産(仮想通貨)商品の導入を推進しているようだ。CFTCの暫定委員長であるキャロライン・ファム(Caroline Pham)氏が、コインデスク(CoinDesk)の報道を引用する形で11月10日に認めている。
報道によると、ファム氏は複数の規制対象取引所と面会し、暗号資産の個人向け現物商品をローンチするための協議を進めているという。
これまで米議会では、CFTCに暗号資産の現物市場に対する明確な権限を付与する法案が議論されてきたが、成立には至っていない。しかしCFTCは、成立を待たず現行の権限の範囲内で市場整備を進めている。
ファム氏はコインデスクへ向けた声明で「議会との協働を続けながらも、既存の法的権限を活用して迅速に政策提言を実施している」と述べ、年内にも新たな商品が市場で取引開始となる見込みだとコメント。また、トランプ米大統領が指名したCFTC委員長候補者の円滑な移行を実行するために取り組んでいると報告した。
報道によると、CFTCが想定しているのは、CFTC登録の契約市場(DCM)におけるレバレッジ付き暗号資産現物取引だ。これにより、従来のコモディティ取引と同様の枠組みで、ビットコイン(BTC ($106,505.00))やイーサリアム(ETH ($3,609.96))などを対象にした取引が可能になる。
CFTCの監督下で行われることにより、機関投資家やアドバイザーが規制された環境での暗号資産取引として参入しやすくなるとの見方も出ている。
CFTCの広報担当者は主導的役割を担う可能性のある取引所について言及していないが、協議に詳しい関係者によれば、既に暗号資産に深く関与しているDCMが市場投入を最も迅速に進めると見込まれている。コインベース(Coinbase)やビットノミアル(Bitnomial)といった暗号資産ネイティブ企業や、カルシ(Kalshi)やポリマーケット(Polymarket)などの予測市場プラットフォームはすでにDCM認可を取得している。
CFTCはまた、トークン化の担保資産にステーブルコインを認める政策の導入を検討しており、早ければ来年上半期にもパイロットプログラムとして実施される見通しだ。ファム氏はこれを「ステーブルコインのキラーアプリ」と評しており、金融市場での実用拡大を視野に入れている。
ファム氏はトランプ政権下での暫定委員長として、CFTCの組織再編や執行部門の再構築も進めている。また、来年早々に発表される見込みのトークン化された担保政策にも取り組んでいる。
また、CFTCが最も差し迫って推進している政策分野は、議会による法律がない状況下で、規制対象プラットフォーム上の新しい小売スポット商品を監督することである。
なお、ファム氏は任期終了後に暗号資産インフラ企業ムーンペイ(MoonPay)に移る計画があると報じられており、後任にはトランプ大統領が新たに指名した米証券取引委員会(SEC)のマイク・セリグ(Mike Selig)氏が指名されている。
また、米暗号資産インフラサービス企業ムーンペイ(MoonPay)に近い情報筋によれば、同社はCFTC退任後のファム氏を、ムーンペイの最高法務責任者兼最高管理責任者に就任させる計画を進めているという。これは、他の元CFTC委員がデジタル分野へ転身した流れに続く形となる。
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— Caroline D. Pham (@CarolineDPham) November 9, 2025参考:CoinDesk
画像:iStock/berya113
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