豪州規制当局、デジタル資産の法的扱い明確化するガイダンス発表

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NewEconomy JP 8 hours ago 159

ステーブルコイン等を金融商品と定義

オーストラリア証券投資委員会(Australian Securities and Investments Commission:ASIC)が、デジタル資産に関する既存法の適用範囲を明確化するガイダンスを10月30日に発表した。

これにより、投資家保護の強化と、企業の事業運営とイノベーションに対する確実性を高める姿勢だ。

今回の更新でASICは、ステーブルコイン、ラップドトークン、トークン化証券、デジタル資産ウォレットなどが「金融商品(financial products)」に該当し得るとの見解を示した。

ASICのアラン・カークランド(Alan Kirkland)委員は声明にて、「分散型台帳技術(DLT)とトークン化は世界の金融システムを変革しつつある」とし、「今回のガイダンスは、オーストラリアで安心してイノベーションを進めるために企業が求めていた規制上の明確性を提供するものだ」と述べている。

また、カークランド氏は「多くの取引量の多いデジタル資産は現行法の下ですでに金融商品に該当し、政府が提案する法改正後もその位置づけは変わらない」と説明。これにより、対象となる事業者の多くは金融サービスライセンス(AFSL)の取得が必要となるとした。

ライセンス制度によって、消費者は既存法に基づく完全な保護を受けられるようになり、ASICも不適切な行為に対して迅速に対応できる体制を整えるという。

一方でASICは、事業者が新たなガイダンスを踏まえて体制整備やライセンス申請を進めるための時間を確保する目的で、2026年6月30日まで業界全体に対して「ノーアクションポジション(不執行方針)」を適用すると発表した。

加えて、ステーブルコインおよびラップドトークンの流通事業者に対して、法改正への移行を円滑化するための規制緩和を提供する方針も示した。これらの草案への意見募集は2025年11月12日まで行われる。

ASICはまた、これらの判断にあたり、過去に実施した「コンサルテーション・ペーパー381『INFO 225の更新:デジタル資産:金融商品およびサービス』」へのフィードバックも考慮したと説明。今回のガイダンスには、追加の事例解説や、事業者からの意見を反映した調整が含まれているという。

ASICは、現在のノーアクションポジションを踏まえ、過去の行為に関する評価にも柔軟に対応する考えを示す一方で、重大な消費者被害や広範な不正行為が確認された場合は引き続き厳しく対応すると強調している。

INFO 225は2017年9月に初版が発行され、2018年、2019年、2021年に改訂を重ねてきた。今回の更新は、ブロックチェーン技術を金融商品や実物資産に適用する企業、新興のデジタル資産事業者、ブローカー、助言会社など、幅広いプレイヤーを対象としている。

ASICは2024年12月にINFO 225の更新案について意見募集を実施。意見募集文書では、現行法の明確化を目的に、金融商品の定義がデジタル資産および関連商品に適用される具体例を追加するなど、一連の更新を提案している。

ASICは2025年7月、デジタル資産イノベーション支援の一環として、オーストラリア準備銀行(RBA)のトークン化資産市場プロジェクト「プロジェクト・アカシア(Project Acacia)」の参加者に規制緩和を提供し、トークン化資産の取引やデジタルマネーの実世界での試験運用を行っている。

また、ASICは9月18日に、ステーブルコイン仲介業者に対し、特定の条件下で金融サービス免許の取得義務を免除する計画を発表した。

参考:発表
画像:PIXTA

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