
UK Financeがトークン化ポンド預金の実証実験開始
英国の銀行・金融サービス業界団体UKファイナンス(UK Finance)が、ポンド建てトークン化預金プロジェクト「GBTD(グレート・ブリティッシュ・トークナイズド・デポジット)」の実証実験を、英国大手6銀行と共に開始したと9月25日に発表した。
GBTDの実証実験に参加した銀行は、バークレイズ(Barclays)、エイチエスビーシー(HSBC)、ロイズバンキンググループ(Lloyds Banking Group)、ナットウェスト(NatWest)、ネイションワイド(Nationwide)、サンタンデール(Santander)とのこと。加えて、クアント(Quant)、イーワイ(EY)、リンクレイターズ(Linklaters)も同実証実験を支援しているという。
この実証実験は、2024年9月17日に成功が発表されたRLN(規制負債ネットワーク)の実験フェーズ完了を基に開始されたとのこと。実験フェーズでは、不正削減や住宅購入プロセスの効率化、決済失敗コストの低減といった利点が確認され、プログラム可能な支払いなどの新機能も実証された。
RLNとは、商業銀行マネー、中央銀行マネー、電子マネーを共通のデジタル基盤上で記録・移転・決済できる金融市場インフラだ。
今回の実証実験はRLNの成果を踏まえ、トークン化預金とプログラム可能な支払いを実際のユースケースに適用することを目的としている。また実証実験は、DIGIT(デジタルギルト)やNPV(ナショナルペイメンツビジョン)といった英国政府の成長・イノベーション戦略を支える役割も果たすとされる。なお、この実証実験は2026年半ばまで実施される予定だ。
実証実験の対象となるユースケースは3つとのこと。1、オンラインマーケットプレイスを通じた個人間支払いによる不正削減と信頼性向上。2、住宅ローン借り換えプロセスにおける透明性や取引スピードの改善、登記関連の不正軽減。3、トークン化預金とデジタル資産のシームレスな交換。
またGBTDの実証実験で活用されるプラットフォームは、新しいデジタルマネーや決済システム、金融機関間で相互運用性を備えるという。さらに同プラットフォームは、トークナイゼーション・アズ・ア・サービスも提供するとのこと。
トークナイゼーション・アズ・ア・サービスは、自らトークン化預金機能を持たない金融機関や企業でも、外部サービスを通じてGBTDに参加可能にする仕組みとのことだ。
参考:UK Finance
画像:iStocks/SergZSV
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