「トゥルース・ソーシャル」に予測市場が導入へ

米トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ（Trump Media and Technology Group：TMTG）が、イベント連動型市場が伝統的金融分野への進出を強めるなか、自社のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル（Truth Social）」に予測市場を導入すると10月28日に発表した。

この予測市場は、グローバル暗号資産（仮想通貨）取引所クリプトドットコム（Crypto.com）の関連子会社である米商品先物取引委員会（CFTC）に登録された取引所兼清算機関のクリプトドットコム・デリバティブズ・ノース・アメリカ（Crypto.com Derivatives North America：CDNA）との独占契約により導入される。CDNAは、米スポーツアプリ「アンダードッグ（Underdog）」を通じて、米国で予測市場取引を提供している。

またストリーミングプラットフォームのトゥルース・プラス（Truth+）、フィンテックブランドのトゥルース・ファイ（Truth.Fi）も関与する。予測市場は近く、トゥルース・ソーシャル上でベータを開始し、その後米国で本格ローンチする予定だ。

TMTGは、必要な要件を全て満し次第、同サービスををグローバルに展開する計画だ。 ・予測市場は、スポーツ、エンタメ、政治、経済動向など幅広い事象の結果を予測して収益が得られる。これらイベント連動型の契約（コントラクト）取引は、昨年の米大統領選以降、勢いを増している。

関心の高まりに伴い、予測市場は金融界でより広範な受容を得る有力な存在とみなされつつあり、特に大接戦の局面では、従来の世論調査より正確だと評価する専門家もいる。一方で、これらの市場を「デジタル・カジノ」に過ぎないと批判する声もある。

トランプ・メディアの会長兼最高経営責任者（CEO）であるデヴィン・ヌネス（Devin Nunes）氏は「あまりにも長い間、グローバル・エリートがこの市場を厳格に支配してきた。『トゥルース・プリディクト（Truth Predict）』によって、我々は情報を民主化し、一般の米国人が群衆の知恵を活用できるようにする。自由な言論を、行動可能な先見へと転換するのだ」と述べた。

今年初めには、トランプ・メディアとクリプトドットコムが、特別買収目的会社（SPAC）との取引に合意し、新たなベンチャーを立ち上げる計画を示していた。そのベンチャーは、クリプトドットコムのネイティブトークンである「CRO ($0.15)」を積み増すトレジャリー（財務運用）スタイルの戦略を志向しており、ドナルド・トランプ（Donald Trump）米大統領と業界との結び付きは一段と深まっている。

クリプトドットコムのクリス・マルシャレク（Kris Marszalek）CEOは「予測市場は数百億ドル規模の産業になる見込みだ」と述べた。 ・世界的に大手の予測市場であるカルシ（Kalshi）とポリマーケット（Polymarket）は、ここ数カ月でベンチャーキャピタルやその他投資家から大きな関心を集めており、予測市場の到達範囲とエンゲージメントを一段と強固なものにしている。

なおポリマーケットは年初、トランプ・ジュニア（Donald Trump Jr.）氏が支援する1789キャピタル（1789 Capital）からの出資を受けていた。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Trump Media to enter prediction markets business
（Reporting by Pritam Biswas in Bengaluru; Editing by Shilpi Majumdar）
参考：トランプメディア
翻訳：大津賀新也（あたらしい経済）
画像：Reuters

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