OCC、銀行のガス代支払い目的での暗号資産保有を正式容認

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NewEconomy JP 1 hour ago 107

規制緩和が加速

暗号資産(仮想通貨)ネットワークのガス代支払いを目的として、米国のナショナルバンクが必要最小限の暗号資産を自己勘定で保有することを認めると、米財務省通貨監督庁(OCC)が11月18日に発表した。

OCCは今回の発表で、銀行が自己勘定で暗号資産を保有できるのは、ブロックチェーン上の取引処理に必要となるネットワーク手数料(ガス代)を支払うため、または暗号資産関連サービスのテストを行うために必要最小限の量を確保するために限られると明確化している。

特にイーサリアム(Ethereum)のように、取引実行時にネイティブトークン(ETH ($3,023.83))によるガス代支払いが必須となるネットワークでは、銀行が顧客サービス提供の過程で発生するガス代を自ら負担できるようになる。

これにより、銀行は暗号資産カストディや決済サービスを提供する際、第三者に依存せずネットワーク手数料を調達できるようになり、オペレーション負荷やリスクを軽減できるとされている。

今回の発表では、ネットワーク手数料の支払いが「銀行が合法的に提供可能な暗号資産カストディや決済サービスを円滑に行う上で便利かつ有用」と位置づけられた。

OCCは今回の判断について、銀行が外貨送金のために外貨を保有すること、決済ネットワークに参加するために株式や資本を保有すること、カストディ顧客向けサービスを提供しやすくするために補助的な資産を持つことなど、従来の金融システムで一般的な慣行と類似していると説明している。つまり、暗号資産ネットワークでの手数料支払いに必要となる暗号資産の保有は、従来の銀行業務の延長線上に位置づけられるものであり、特別に異なるものではないという見解だ。

また、銀行が内部テストや外部ベンダーによる導入テストを行う際にも、一定量の暗号資産を保持しなければならないケースは避けられない。

OCCは、これを禁止すると銀行のシステム開発やリスク管理、さらには暗号資産関連サービスの安全な提供を妨げると指摘し、テスト目的での暗号資産保有も正当な付随業務として認めた。

さらにOCCは、銀行がこれらの活動を実施する際には、技術・サイバー面のリスク、流動性リスク、マネーロンダリングなどの不正利用リスク、法令順守体制など、複数領域にわたるリスク管理が不可欠であると強調。加えて、銀行が自己勘定で保有する暗号資産の量は、銀行の自己資本と比べて極めて限定的な水準に抑える必要があり、過度な価格変動リスクを負わないよう厳格な管理が求められるとしている。

ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の就任以降、米国では暗号資産分野の規制再構築が着実に進んでいる。特に2025年に入ってからは、監督機関による方針転換が相次いでいる。

OCCは3月、バイデン政権時代に設けられていた「銀行が暗号資産関連活動を行う前に事前承認(non-objection)を得ること」を求める要件を撤廃したと報じられている。同時に、大手銀行が顧客のために暗号資産を保管することや、一定のステーブルコイン関連活動に従事することを認める姿勢を示し、従来よりも柔軟な監督方針へ移行したとの見方が広がっている。

さらに7月10日には、約5年ぶりに通貨監督庁(OCC)の長官にジョナサン・グールド(Jonathan Gould)氏が就任した。グールド氏は暗号資産業界出身で、規制緩和と業界育成の両立を掲げており、OCC内での方針転換を後押しする人事として注目されている。

参考:発表
画像:PIXTA

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